あれは確か大学2年の夏休みのとある日。
タモリが座禅を組んでトリップを体験したというのを知ったぼくは、その夜、部屋の電気を消して、さらにカーテンも閉めきり真っ暗にした上で、Brian Enoの「Apollo」(注1)をかけながら、いざ出鱈目な座禅を開始。
雰囲気作りもばっちりで始めたのはいいけれど、雑念まみれのぼくは外で鳴り響く蛙の大合唱と鼻のてっぺんの痒みが気になり、わずか20分で途中棄権。もちろんトリップには至らず。
(注1)・・・Brian Eno が月面開拓ドキュメタリー「宇宙へのフロンティア」のサウンドトラックとして制作した1983年発表のアンビエント・ミュージックの名作。真っ暗な部屋で目を瞑り、脳内宇宙の旅に出発だ。
また、別の日にはCanの「Future Days」(注2)を聴きながら、窓とドアを開け放ちパンツ一丁で大の字で仰向けになり、自然との一体化を試みようとするも、お婆ちゃんの「あんた、なにやっとるね?」の一言で我に返り断念。
お母さんに見られなくてよかった。余計な心配をされかねない。
(注2)・・・ジャーマン・ロック界の巨星、Canが1973年に発表した浮遊感と多幸感に満ちた大傑作。表題曲の「Future Days」と並び今作のハイライトとも言うべき約20分にも及ぶ大曲「Bel Air」が素晴らしい。
今思い返してみれば、夏休みで暇だったとはいえ、おかしなことをしたな。
きっと「それはあれだ!夏のせい」(注3)だ。
そういえば、最初にレコードを手にしたものこの頃だったっけ。
ヤフオク!でCDと間違えて落札したTalking Headsの「Fear Of Music」(注4)だ。
それと、国語の教科書もろくに読んだことのないぼくがKurt Cobain(注5)の影響で本を読むようになったのも同じようなタイミングだったと思う。
自分の意思で初めて買った単行本は村上龍の「イン ザ・ミソスープ」(注6)。中古105円。今でも思い出深い一冊だ。
(注3)・・・スチャダラパーが1995年に発表した「5th WHEEL 2 the COACH」に収録された「サマージャム‘95」の一節。いまだ色褪せることのないサマーアンセム。
(注4)・・・Talking Headsが前作に引き続きBrian Enoをプロデューサーに迎え制作した1979年発表の第3作目。Robert Fripp をサポートに招いて、アフロビートやアフリカン・ファンクに挑戦した、次作「Remain In Light」の前哨戦とも言うべき重要曲「I Zimbra」を収録。
(注5)・・・ご存知Nirvanaのフロントマン。あの頃はKurt Cobainをはじめ、レッチリのJohn Frusciante、それにSyd Barrettとか、刹那的に生きるアーティストが好きだったな。
(注6)・・・1997年に刊行された村上龍のサイコ・サスペンス。2008年には Wim Wenders 監督による映画化の話もあったようだけれど、どうやら頓挫してしまったみたいで残念だ。
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